修行Sado Three Mountains Pilgrimage
佐渡三山駈け修行の歴史
佐渡ヶ島の最高峰、金北山と檀特山、金剛山は「佐渡三山」と呼ばれ、古くから信仰の対象となっていました。
中世の修験者(山伏)が修行した吉野、熊野、大峯を駆ける奥駈修行が佐渡にも伝わり、佐渡三山を奥駈けと見立て実践していたものが由来だと言われています。
佐渡ヶ島は自然豊かな大きな島で、古来より山の神海の神を大切に信仰していました。
佐渡には湯殿山信仰や八海山信仰、修験道や密教など様々な信仰が混ざり合う形で独特な信仰を持ったのではないかと考えます。
いつしか島自体が信仰の対象となり、中世には全国各地から多くの修験者が船で来島し大佐渡にそびえ立つ霊峰金北山へと登拝されました。

金北山(きんぽくさん)に祈る
かつて三山駈けが行われた金北山・金剛山・檀特山にはお堂や祠が作られ、現在でも集落の方々に大切に管理保存されています。
また、山中には修験道の開祖とされる役小角の石像と、修験道中興の祖である京都醍醐寺三宝院の聖宝理源大師の石像が祀られております。
時代や形は変われど、現在でも人々は山の魅力に惹きつけられ佐渡のお山へと登られております。
ひとことでは言い表せない山の歴史や魅力があり、どっしりとしたお山はいつも私達の安全をお見守り頂いております。

金剛山からの景色 両津湾と加茂湖
天から降る雨が山へと染み込み、山から湧き出る水が川になりその水で田畑の稲は育ち海へと流れています。
海へと流れた水は蒸発されまた雨雲となり雨を降らせます。
私達はその実った作物を食して生きております。
山はミネラルが豊富で、沢山の草木が育ちキノコや山菜などを授かります。
そうです、私達人間の源は天・空・山・水・地・海なのです。
その様に考えれば私達の先人は常に山や海、天に感謝し祭祀を行いお祈りしていた意味がわかるような気がします。

真砂の峰(まさごのみね)

聖宝理源大師と役小角の石像
便利になりすぎた現在は、食べたい物は何でも手に入り、自動販売機にお金を入れれば飲み物があります。
しかし先人達は湧き水を汲みそれを大切に飲み命を繋いでこられました。
その様な事を今一度考えて感謝の気持ちを忘れずにお山に登ると、また違った景色が見えるのでは無いでしょうか。
いかなる宗教でも祈る想いは同じであり世界共通です。
1人でも多くの方がお祈りし、世界が平和になる日を望みます。
日々お祈りして頂きますと、皆様のその想いは必ずや神仏に届く事と信じております。
